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健診結果に目を通していますか?

健診結果に目を通していますか?

 消化器内科 光永 篤

忙しい合間を縫って健診を受けても、その結果に目を通さないのはもったいないです。

健診を受けた後に結果説明を受ける時間も取れない方は、なおさら送られてくる検査結果レポートに目を通してみて下さい。

 

その中で今回は上部内視鏡検査(胃カメラ)で指摘されることが多い逆流性食道炎についてお話致します。

逆流性食道炎と診断されていても多くの方は無症状ですが、中には胸やけや呑酸(酸っぱい物が口に上がってくる感じ)といった症状を経験されている方もいらっしゃいます。このような症状が日常生活の質を低下させることもあり、注意が必要です。

こうした症状は前屈みで何か作業をしている時や床に就いた後に起こることが多く、このような場合、胃の消化液である胃酸が容易に胃から食道内に逆流を来すために起こる症状です。通常は食道と胃の間には下部食道括約筋という食道を収縮させて胃液の逆流を防止する機能が備わっていますが、年齢を重ねるに従ってその筋力が衰え、逆流を防止するための十分な収縮が得られない状態となっていることも多く、食道裂孔ヘルニアと診断されます。従って、逆流性食道炎と診断されている方では、食道裂孔ヘルニアという診断も一緒にされていることが多く、そのような方では逆流性食道炎になり易いと言えますので日々生活上の注意を行い、逆流性食道炎の症状が出ないように予防して頂くことが大切です。特に食後2時間は消化のために胃酸が分泌されていますので、その時間帯は極力体を横にしたり、床に就いたりしないよう注意することが大切です。また、極端に辛い・酸っぱい・脂っこいものやコーヒー・アルコール・炭酸飲料などといった胃酸分泌を増加させるような食事の摂り過ぎにも注意が必要です。これらの食品は食事の欧米化とともに日本でも増加傾向にあるため、普段からそうした食事に慣れてしまわないように注意して頂くことが肝要です。