乳がんとは

日本人女性の9人に1人が乳がんになるといわれており、その数は年々増加しています。

罹患数が多い女性がん第1位(2019年)

死亡数が多い女性がん第4位(2021年)

乳がんへの罹患は30代後半から増加し、40代以上に多くなります。
乳がんは早期発見されれば高い確率で治癒することができるため、定期的な検診の受診が大切です。

※自覚症状(しこりやひきつれ、乳頭からの血の混じった分泌物等)がある場合は、検診を待たずにすぐ乳腺科を受診してください。

当クリニックの乳がん検診の特長

検査はマンモグラフィ、乳腺超音波検査ともに女性技師が担当しています。

画像の読影は聖路加国際病院 放射線科・乳房画像診断室室長 角田博子医師、慈恵医科大学客員教授 内田賢医師が行っています。撮影技師も読影に参加し、情報の共有とフィードバックをすることで質の高い検査と診断を保てるよう日々研鑚を積んでいます。

過去に当クリニックを受診している方には、継時的な比較読影を行います。元々何もなかったところにできた新たな所見は病変とし、以前から画像に存在し、変化のないものは問題ない所見と判断することで、不必要な精密検査を避けることができます。また、マンモグラフィと乳腺超音波検査の両方を受診している場合には、同時に画像を並べてチェックし、総合的な判定が行われ、精度の高い検査結果につながっています。

当クリニックの乳がん検診の特長

マンモグラフィをお勧めする方

乳がんの罹患が増える30代後半以上の方。

乳腺が発達している若い乳房は、乳腺の重なりと病変との区別が難しいことがあります。一方、乳腺が減少して脂肪が多くなった乳房は、病変との区別が分かりやすいことが多くなります。

マンモグラフィとは

乳房を上下と左右の2方向からX線を使用して撮影します。薄く押し広げることで、触れても分からないような病変をしこりや微細な石灰化としてみつけることができます。

※当クリニックはマンモグラフィ検診施設画像認定を取得しています。
※検査は検診マンモグラフィ撮影認定技師が行います。

マンモグラフィ

<マンモグラフィの禁忌>

以下に該当する方は検査に支障や危険が伴うため、実施することができません。
・妊娠中、妊娠の可能性がある方(被曝があるため)
・インプラント豊胸術後の方や胸部に医療器具(心臓ペースメーカー、シャント、その他器具等)を挿入されている方(器具のずれや破損の可能性があるため)
・授乳中、卒乳後6ヶ月以内の方(乳腺が非常に発達していて病変が見つかりにくい可能性があるため)
※20代の方は被曝による不利益が検診の利益を上回るため、お断りをしています。

乳腺超音波検査をお勧めする方

若年の方から高齢の方まで、年齢による制限はありません
被爆の心配がないため、妊娠の可能性のある方なども、安心して受けることができます。

乳腺超音波検査

乳腺超音波検査(エコー)とは、乳房にゼリーを塗り、超音波を出すプローブという機械を乳房にあててはねかえってくる超音波を画像化し、乳房内部の状態を知る検査です。産婦人科で赤ちゃんを見る超音波診断装置と同じ仕組みなので、痛みはなく、被爆の心配もありません。乳腺組織の密度が高い若年層にも向いており、幅広い年齢の方にお勧めすることができます。

小さなしこり(良性腫瘤、悪性腫瘤とも)の発見ができることが特徴です。

一方で、超音波の性質から、微細な石灰化を伴う病変は、映し出すことが難しく、超音波検査のみでは病変の発見がされないこともあります。

※当クリニックではBモードに加え、ルーチンでカラードップラーとエラストグラフィを行っています。

乳腺超音波検査

<超音波検査の禁忌>

禁忌事項はありませんが、妊娠後期の方や授乳中の方は、通常の正常乳腺と状態が異なるため、正確な診断が困難になることがあります。

■授乳中(妊娠中、特に後期)の乳腺の状態と乳腺超音波検査の実施について

① 授乳中は、ホルモンの影響を受け乳腺が発達しており、乳腺密度が高く(デンスブレストの状態)著しく厚みを増しています。そのため、正確な診断が難しくなります。


② 授乳中の乳腺は、授乳に伴う変化か、病変の存在によるものか見分けることが困難な時があります。(乳管拡張、血流亢進、腫瘤の描出が不明瞭など) 乳管拡張⇒授乳期乳房でも病変が存在する時でも乳管が拡張する時があります。

血流亢進⇒授乳期で発達した乳房でも病変でも、血流信号が増量する時があります。

腫瘤描出⇒例えば、元々存在していた線維腺腫やのう胞が描出されなくなることがあります。


③ 同じく乳がん検診で実施されているマンモグラフィにおいても、同様な理由と、母乳が出てしまい実施が難しく(機器の汚染)、卒乳後6か月を目安に実施が可能とされています。これをふまえ、超音波検査の実施も卒乳後6か月以降が望ましいと考えられます。

乳腺の状態⇒元の正常乳腺に戻るまでの期間は個人差が大きく、卒乳後半年は目安です。


④ 上記①~③の理由から、検査の精度が保てない(正確な検査が難しい、病変か否か判別が困難で不必要な精密検査が必要になるなど)ため、授乳期の超音波検査は、積極的には推奨していません。


⑤ なお、自覚症状のある方につきましては、これらの条件に関わらず、授乳中であっても乳腺専門外来を早めに受診してください。

乳がん検診で要精密検査だった場合

検査結果が「要精密検査」と判断されても、ただちに乳がんというわけではありません。

指摘された部位の治療が必要かどうかを診断するため、更に詳しい検査を行います。

  • マンモグラフィ
    マンモグラフィ

    必要に応じて追加の撮影を行います

  • 組織診
    組織診

    局所麻酔でより太めの針を刺し、病変の一部を取り出して調べます。

  • 乳房超音波(エコー)
    乳房超音波(エコー)

    皮膚表面から超音波をあて、乳房内に異常を示す陰影がないかを調べます

  • 細胞診
    細胞診

    超音波等で病変を確認しながら針を刺して細胞を吸引し、良性か悪性かを調べます

当クリニックには、乳腺外来があり、乳房超音波検査や細胞診等の精密検査を行っています。

また、医療連携施設の聖路加国際病院への紹介や、ご希望の病院へ紹介状を作成することも可能です。

ブレスト・アウェアネス

乳房を意識する生活習慣です。自分の乳房の状態に関心を持って生活をしましょう。日頃から意識し、その状態を知っておくことで変化に気がつくことができます。

  • point1

    自分の乳房の
    状態を知る

  • point2

    乳房の変化に
    気をつける

  • point3

    変化に気づいたら
    すぐ医療機関へ行く

  • point4

    40歳になったら
    定期的に乳がん
    検診を受ける

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