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家庭血圧を下げるには減塩・野菜摂取+睡眠の改善/赤嶺靖裕医師

近年、血圧管理の指標として診察室血圧(医療機関での測定値)よりも、家庭血圧(自宅での測定値)が重視されるようになりました。その家庭血圧に影響を及ぼす因子として、従来から知られている肥満や飲酒に加え、尿中ナトリウム/カリウム比(尿Na/K比)と睡眠効率が重要であることが明らかになってきています。

平田 匠 先生(北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室/東北大学東北メディカル・メガバンク機構)らによると、尿Na/K比は塩分摂取量および野菜・果物の摂取量のバランスを示す指標とされ、この値が高い場合、塩分の摂取過多、もしくは野菜・果物の摂取不足と考えられます。一方、睡眠効率は就床時間に占める睡眠時間の割合であり、この値が低い場合、睡眠の質が良くないと考えられます。

従来の危険因子とその他の危険因子の双方が家庭血圧高値と有意に関連しており、その影響は肥満が最も高く、以下、睡眠効率低値、尿Na/K比高値、中等度以上の飲酒と続くとされます。また、従来の危険因子がない場合でも、睡眠効率低値と尿Na/K比高値が該当する場合は、家庭血圧高値の相対危険度が有意に高いこと、および、各危険因子の家庭血圧高値に対する影響は高齢者より若年者の方が大きいことが明らかになりました。
これにより「高血圧の予防には、従来の危険因子に加えて、尿Na/K比と睡眠効率の改善が望まれる」と結論付けています。