スタッフ通信
健康診断は何のため?
皆さんは毎年何のために健康診断を受けられていますか?勿論、病気を早期に発見し、大事に至らないようにするためですよね。でも中には勤め先で義務付けられているから仕方なく受けている方や、忙しい合間を縫って検査着に身を包み、やりたくもない検査を受けるのを苦痛と感じている方も一部にはいらっしゃるのではないでしょうか?
最近、Atherosclerosis(アテローム性動脈硬化)という雑誌に健診の意義を再確認するような記事が載っていましたので紹介したいと思います。その内容は全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険請求データベースをもとに、健診を受け受診勧奨を受けた男女35~74歳の高リスク者41万2059人を対象に、健診後12ヶ月間の受診時期によって、早期(3カ月未満)、中期(4~6カ月)後期(7~12カ月)、未受診の4群に分類し、このうち健診後に発症した脳卒中、冠動脈性心疾患、心不全による入院または全死亡リスクとの関連を検討したものです。その結果、未受診の群と比較し、受診行動が早いほどこれらのリスクは低下し、早期受診者では全てのリスクで低下が認められました。
これらの結果から今回の研究を行った大阪大学大学院医学系研究科社会医学講座と国立国際医療研究センターの研究グループは、「健康診断後の早期受診が、高リスク者における主要心血管系イベントの入院および全死亡リスク低下と関連する」と結論付けています。
さて、健診を受けられた皆さんは送られてきた健診結果に目を通すことなく、健診を受けっぱなしにしていませんでしょうか?健診結果は現在の自分そして未来の自分を支える宝です。折角の宝を無駄にすることのないよう結果表に書かれていることを必ず確認して頂きたいと思います。
消化器内科 光永 篤