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コロナ5類への移行に備えて 光永 篤(消化器内科)

連休明けの5月8日より、新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同じ5類感染症として扱われるようになるにあたり、今後予想される問題点を述べてみたい。

まず、医療者向け情報サイト:ケアネットによる医師1000人に聞いた「コロナ対策として行われてきた11項目の感染対策に関するアンケート調査」では、現在行われている感染対策について多いものから順に①マスクを着用する②こまめに手を洗う③消毒液を使用する④部屋の換気をする⑤人が密集する場所を避ける⑥感染状況についての情報を得る⑦密閉した空間を避ける⑧定期的にワクチンを接種する⑨風邪症状があるときの外出を控える⑩人との間隔をあける⑪感染予防策についての情報を得るが取り上げられ、多少順位に変動は見られるものの、5類移行後も何れの感染対策も必要とする意見が多く寄せられた。

一方、もう不必要な感染対策として、多いものから順に①ハンドドライヤーの使用禁止②アクリル板やビニールの仕切り③学校での授業中のマスク着用④黙食などが上げられた。

そして、5類移行後に心配されることとして半数の医師が感染再拡大を上げており、症状のない感染者や治療費が自己負担になることで医療に掛からない感染者が増えることによる感染拡大、死亡者数・感染者数がリアルタイムで報道されないことで、感染・予防対策がおざなりになることが危惧されている。

これらのことを踏まえると、引き続きワクチン接種を含む感染対策を社会全体で維持していくことが、感染再拡大を防止する上で今まで以上に必要とされることを5類移行後も意識しておく必要がある。