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よく一日8000歩歩きましょうと言われますが!?

健診を受けた皆さんは健康のために歩くことを勧められることが多いと思いますが、では、一日何歩ぐらい歩くと健康維持に役立つのでしょう?よく言われているのは、8000歩です。群馬県中之条町で65歳以上の住民に対し、10年以上に渡って行われた調査の結果から、健康維持に役立つ一日当たりの理想的な歩数は約8000歩とされ、8000歩を平均約20分で歩く速歩きを推奨しています。これが「健康維持のために一日8000歩歩きましょう」と言われる根拠になっているようです。

厚生労働省が発行している令和元年の「国民健康・栄養調査結果の概要」によると、日本人の一日平均歩数は男性6793歩、女性5832歩で、この数字は年齢と共に減少する傾向が見られますので、やはり意識的に歩かないと一日8000歩歩くのは難しいようです。

オランダ・ラドバウド大学医療センターから最近出された一日の歩数と全死因死亡および心血管疾患の発症との関連に関する研究では、3000歩以下の少ない歩数であっても有意にそれらのリスクが低減することが明らかにされ、総歩数に関係なく、歩く速さが速いほど全死因死亡のリスクが低減することが示されました。さらに8000歩前後までは段階的にこれらリスクが低減することが示され、これらの結果を踏まえ、研究グループは「8000歩に満たない少ない歩数であっても健康に資する効果が期待でき、歩数というわかりやすい指標を健康維持に役立てることができる」と述べています。

最近は携帯の無料アプリで歩数計も色々出ていますので、試しに自分の歩数を計ってみては如何でしょうか?

消化器内科 光永 篤